エフゲーニー・オネーギン(読み)エフゲーニーオネーギン

百科事典マイペディア の解説

エフゲーニー・オネーギン

プーシキン長編小説韻文で書かれている。1823年―1830年執筆。才能はありながら,それを有効に使えないでいる〈余計者〉の青年貴族オネーギンと,情熱的で気高いロシア女性タチヤーナのすれ違いの恋を描き,この両者はそれぞれロシア文学における男性像・女性像の典型となった。〈ロシア生活の百科事典〉と呼ばれ,国民的古典としてロシア人に愛読されてきた。しかし手法的に見れば,意図的な逸脱の多い語り口を用い,様々な詩的文体の妙技を駆使した,軽やかな遊びの精神に満ちた作品である。チャイコフスキーによってオペラ化された。
→関連項目現代の英雄ビシネフスカヤ

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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