日本大百科全書(ニッポニカ) 「エリス(準惑星)」の意味・わかりやすい解説
エリス(準惑星)
えりす
Eris
準惑星の一つ。太陽系外縁天体の冥王(めいおう)星型天体(太陽系外縁天体であり、なおかつ準惑星クラスの天体)に属する。2003年10月にマイケル・ブラウンMichael E. Brown(1965― )、チャドウィック・トルヒージョChadwick A. Trujillo(1973― )、デイビッド・ラビノウィッツDavid L. Rabinowitz(1960― )により発見され、ギリシア神話の女神の名をとり、エリスと命名された。大きさは直径2326キロメートル、質量は約1.64×10の22乗キログラム。軌道長半径は約68.0天文単位(1天文単位=1億4650万キロメートル)、軌道傾斜角は43.9度、軌道離心率は約0.434、公転周期は約560年、衛星数は1(名称はデュスノミアDysnomia)である。直径2390キロメートルの冥王星より大きなエリスの発見やエッジワース・カイパーベルト天体(惑星になりきれなかった氷の小天体が海王星軌道の外側にベルト状に分布する天体)が数多く発見されたことによって、冥王星は惑星からはずされ、準惑星という新しい天体分類に含まれることになった。
[編集部 2022年10月20日]