エルゴタミン

化学辞典 第2版 「エルゴタミン」の解説

エルゴタミン
エルゴタミン
ergotamine

C33H35N5O5(581.67).麦角アルカロイド一つ.(+)-リゼルギン酸,L-フェニルアラニン,D-プロリン,ピルビン酸アンモニアよりなるペプチドアミド結合した構造をもつ.柱状晶.融点212~214 ℃(分解).-160°(クロロホルム).pKa1 9.62±0.60,pKa2 7.20±0.40.熱,光,空気に触れると褐色に変化し分解する.熱エタノール,クロロホルム,エーテルに可溶,ベンゼン,水に難溶.強い子宮収縮作用をもつ.LD50 62 mg/kg(ネズミ,静注).(+)-イソリゼルギン酸と結合した異性体(エルゴタミニン)は,融点240~243 ℃.+369°(クロロホルム)で,生理作用は弱い.同様な構造のほかの麦角アルカロイドを表に示す.[CAS 113-15-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「エルゴタミン」の意味・わかりやすい解説

エルゴタミン

麦角アルカロイドの一つ。交感神経の末梢麻痺(まひ)し,子宮の運動を促進させ,血管の収縮,血圧の上昇を起こす。子宮弛緩(しかん),産後出血,子宮収縮不全等に対して用いる。劇薬

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栄養・生化学辞典 「エルゴタミン」の解説

エルゴタミン

 麦角アルカロイドでの一つで,リゼルギン酸とトリペプチドラクタムとのアミド.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のエルゴタミンの言及

【麦角】より

…ウシはウマよりも弱い。【寺中 理明】
[薬用]
 麦角はエルゴメトリンergometrine,エルゴタミンergotamine,エルゴトキシンergotoxineなどのアルカロイドを含む。これらは子宮とくに妊娠子宮を収縮させる作用がある。…

※「エルゴタミン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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