オアハカ中部渓谷ヤグルとミトラの先史時代洞窟(読み)オアハカちゅうぶけいこくヤグルとミトラのせんしじだいどうくつ

世界遺産詳解 の解説

オアハカちゅうぶけいこくヤグルとミトラのせんしじだいどうくつ【オアハカ中部渓谷ヤグルとミトラの先史時代洞窟】

2010年に登録された世界遺産(文化遺産)。メキシコ南部の亜熱帯地域、オアハカ中央部に位置するタラコルラ渓谷北斜面の先史時代の洞窟群。スペインによる征服以前の2つの遺跡、先史時代の洞窟、岩陰の住居などからなっている。岩陰の住居には岩絵が描かれており、人々が遊牧や狩猟採集中心の生活から農耕による定住生活へ変化する様子を示す考古学的証拠とされる。また洞窟の一つから発見された1万年前のウリ科植物の種は、北米大陸で発見された最も古い植物栽培の証拠である。同じ洞窟からはトウモロコシの穂も発見されており、これも人によって栽培されたもの。こうした洞窟の文化的景観は植物栽培の起源を知る手がかりであり、スペイン征服以前に栄えたメソアメリカ文明につながっている。◇英名はPrehistoric Caves of Yagul and Mitla in the Central Valley of Oaxaca

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android