オニソコホウボウ(読み)おにそこほうぼう(英語表記)antrorse spined gurnard

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オニソコホウボウ」の意味・わかりやすい解説

オニソコホウボウ
おにそこほうぼう / 鬼底魴鮄
鬼底竹麦魚
antrorse spined gurnard
[学] Pterygotrigla multiocellata

硬骨魚綱スズキ目ホウボウ科に属する海水魚。熊野灘(くまのなだ)から豊後(ぶんご)水道にかけての太平洋九州・パラオ海嶺東シナ海、南シナ海、サイパンニュー・カレドニアに分布する。吻(ふん)突起は強くて長いこと、吻棘(きょく)の基部背面に前向きの小棘があること、胸びれ上方の上膊(はく)棘は長くて強く、背びれの第4~6棘下に達すること、第2背びれの基底に骨板がないことなどが本種の特徴。体の背面は淡赤色で、やや黄色みを帯び、腹面は淡色。全長35センチメートルほどになる。水深140~350メートルの砂底にすみ、小型甲殻類、魚類などを食べる。底引網で混獲されるが、商業利用するほど獲れない。吻棘が長いことでハナナガソコホウボウに似るが、上膊棘が著しく長いことで区別できる。

[尼岡邦夫]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

メタン

化学式 CH4 。最も簡単なメタン系炭化水素で,天然ガスの主成分をなしている。また石炭ガスにも 25~30%含まれる。有機物の分解,たとえばセルロースの腐敗,発酵の際に生成され,沼気ともいわれる。また...

メタンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android