オランダ流（読み）オランダリュウ

デジタル大辞泉

オランダ‐りゅう〔‐リウ〕【オランダ流】

１ オランダ伝来、またはその系統の流儀・学問など。
「―の外科の所へやる」〈浮・万金丹・一〉
２ 貞門ていもんの古風な俳諧を打破しようとした井原西鶴を中心とする一派の俳風。初め貞門一派がさげすみ用いた呼称。のちには清新奇抜を誇示する談林派の一端を示す名称となる。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

オランダ‐りゅう ‥リウ【オランダ流】

〘名〙

① オランダ人によって伝えられた西洋の系統の流儀、方式、学問。おもに外科の医術についていう。紅毛流。

※評判記・色道大鏡（1678）六「阿蘭陀流(オランダリウ)金瘡(きんさう)の名人、栗崎道有といへる外科」

② 伝統的なものに対立する、普通とはかなり変わった革新的なものをさしていう。たとえば、西鶴などが中心となって、貞門俳諧のマンネリズムを排撃してはじめた談林の清新奇抜な俳風を、貞門側はけなして「オランダ流」と呼んだが、談林側はみずから「オランダ流」を名乗って自派の俳風を誇示した。

※俳諧・生玉万句（1673）序「酔のあまり賤も狂句をはけは世人阿蘭陁流なとさみしてかの万句の数にものそかれぬ」

出典　精選版 日本国語大辞典