出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
江戸時代、オランダとの交渉にあたった通訳。近世初期にはポルトガル語が広く用いられ、通詞のオランダ語の能力は不十分だったが、鎖国以後しだいに学力が向上し、のちには蘭学(らんがく)の研究に従事する者もあった。通詞は名村、楢林、吉雄(よしお)など三十数家で世襲とされ、稽古(けいこ)通詞、小通詞、大通詞の順に昇進したが、のちには細分化して13段階となり、幕末には通詞の総数は約140人となった。通詞会所は出島(でじま)内にあり、当番1~2名が昼夜詰め、また江戸番通詞は商館長の参府に同行した。通詞の役料はそれほど多くなかったが、輸入品の仲介により、多額の収入を得ていた。
[永積洋子]
『片桐一男・服部匡延校訂『年番阿蘭陀通詞史料』(1977・近藤出版社)』
出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報
…江戸時代の長崎の地役人で通訳官。一般に通事は中国語の唐通事を,通詞はオランダ通詞を指した。ともに通訳業務のほか,諸法令の伝達執行,貿易品の評価や日本側役人として取引折衝にあたり,貿易改革などについての意見上申,外国人や出入商人の管理統制にもあたる商務官でもあった。…
※「オランダ通詞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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