日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
オーエン(Sir Richard Owen)
おーえん
Sir Richard Owen
(1804―1892)
イギリスの動物・古生物学者。ランカスターに生まれる。エジンバラとロンドンで医学、ことに外科を学んだ。1828年ロンドン外科専門学校の助手となり、1834年には比較解剖学の教授となった。1856年大英博物館長に転じ、1857年にはイギリス科学普及協会会長に選出されている。早くからイギリスの現生および化石動物を研究し、1832年頭足類、1835年には腕足動物の分類についての論文を発表し、ロンドン地質学会からウォラストン賞を授与された(1838)。現生および化石動物の研究は、ヨーロッパ各地から遠く南北アメリカ、アフリカ、ニュージーランドにまで及び、脊椎(せきつい)動物の比較解剖学や生理学について重要な論文を発表している。とくに化石爬虫類(かせきはちゅうるい)についての一連の論文は、今日の分類体系の基礎となった。ダイノサウルス(恐竜)の名称の提案、始祖鳥やニュージーランドの巨鳥モアの研究も有名である。青年時代に師事したキュビエの学説を継いで、ダーウィンの進化論には反対の立場をとっている。
[大森昌衛]
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