オーダル(英語表記)Odal[ドイツ]

改訂新版 世界大百科事典 「オーダル」の意味・わかりやすい解説

オーダル
Odal[ドイツ]

ゲルマン人の世襲的土地所有,その土地,とくに耕地屋敷地。古北欧語でóðal,アングロ・サクソン語ではêðel。古ゲルマン人は,それぞれの経営主体が独立して定住し,みずから防衛をも行い,本来はこのようにして用益・所有・防衛されるすべての屋敷・耕地がオーダルだった(ラテン語のアロディウムallodium)。やがて家族の分裂,相対的土地不足,売買などにより,オーダル所有は社会上層に限定され,借地農や買った土地をもつ農民と区別されるようになる。部族法典は売却されたオーダルにたいする親族の先買権と買戻権を規定している。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android