オーバーボローイング(英語表記)over-borrowing

翻訳|over-borrowing

デジタル大辞泉 「オーバーボローイング」の意味・読み・例文・類語

オーバーボローイング(overborrowing)

自己資本に比べて、社債借入金からなる他人資本に対する依存度が高く、資本構成が悪化している状態。借り入れ超過。

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精選版 日本国語大辞典 「オーバーボローイング」の意味・読み・例文・類語

オーバー‐ボローイング

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] overborrowing ) 企業の資金構成で、自己資本より金融機関などからの借入金の方が多く経営状態が悪化していること。借入過多。⇔オーバーローン

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改訂新版 世界大百科事典 「オーバーボローイング」の意味・わかりやすい解説

オーバーボローイング
over-borrowing

企業の資金調達において,外部資金とくに金融機関からの借入金に過度に依存する状態をいう。日本では,高度成長期に企業の投資意欲がきわめて旺盛であったため,投資支出は自己資金を大きく上回り,その資金不足の大部分が金融機関借入金によってまかなわれた。これは,第2次大戦後,企業と金融機関とくに銀行との関係が密接になり,借入金による資金調達は起債・増資に比べて企業にとってはるかに容易であり,しかも税制上も有利であることによるものである。こうして企業の資本構成の面では,自己資本の過小,他人資本の過大というアンバランスが著しくなった。この点で企業の財務体質ないし不況抵抗力が弱まるなどの弊害が指摘されるが,銀行のオーバーローンとともに,高度成長期における日本の金融構造の特色の一つになっている。しかし1970年代後半には,企業の投資活動が低調になり,半面,企業収益も漸次好転し,企業金融が緩和してきた。これにともなって,転換社債株式時価発行,外債発行など資金調達方式が多様化し,金融機関借入依存度は低下してきている。
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