カシミール帰属問題(読み)カシミールきぞくもんだい(英語表記)Kashmīr

旺文社世界史事典 三訂版 「カシミール帰属問題」の解説

カシミール帰属問題
カシミールきぞくもんだい
Kashmīr

1947年のインド・パキスタンの分離独立以来,両国間に続いているカシミールの帰属問題
独立時,カシミール住民の77%がイスラーム教徒,王がヒンドゥー教徒であったため,住民はパキスタンに,王はインドに帰属を願って紛争が起こった。これにインド・パキスタン両国が介入して武力衝突を起こしたが,1949年1月,国際連合の調停休戦となった。しかし,1957年のインドによるカシミール併合に続いて,65年8月,カシミールにパキスタンの武装ゲリラが侵入したことから,再びインド−パキスタン戦争が起こった。1966年1月ソ連首相コスイギンの斡旋で両国の首脳会談が行われ,紛争の平和的解決を約束したが,71年末には第3次インド−パキスタン戦争が起こり,翌年にはシムラ協定が結ばれた。1998年の核実験応報で両国間の緊張が高まり,現在に至るまで帰属は明確ではない。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android