カタストロフィズム(読み)かたすとろふぃずむ(英語表記)catastrophism

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カタストロフィズム」の意味・わかりやすい解説

カタストロフィズム
かたすとろふぃずむ
catastrophism

地球上の生物群はカタストロフ的な大変動による絶滅、発生の繰り返しによって変遷してきたとする説。19世紀初頭キュビエが提唱天変地異説ともいう。化石ノア洪水でおぼれた生物の遺骸(いがい)であるとする前世紀の洪水説とは異なり、地殻変動に激変の原因を求めた。この考えは拡張され、生物界の変遷だけでなく、造山運動などの地質現象も短時間に急激におこったとされた。しかし現在ではこの説はほとんど受け入れられていない。ハットンライエルによって唱えられた斉一(せいいつ)説、すなわち「現在は過去の鍵(かぎ)である」という概念に反対するものである。

岩松 暉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android