カッペルの戦い(読み)カッペルのたたかい(英語表記)Kappelerkriege; Kappel Wars

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カッペルの戦い」の意味・わかりやすい解説

カッペルの戦い
カッペルのたたかい
Kappelerkriege; Kappel Wars

1529年と 31年にスイスチューリヒ南方のカッペルで行われた新旧両キリスト教徒の戦い。 19年以来 U.ツウィングリによってチューリヒを中心に進められた宗教改革運動のため,新旧両教徒の対立が生じ,29年5月,カッペルで戦端が開かれた。新教派が優勢で信仰の自由を認めさせる和議 (1529) を結んだが,31年 10月,旧教派が虚をついて再度開戦し,新教派を破った。その結果,新教派の改革運動は一時挫折し,旧教徒地歩は強化され,ツウィングリもこの戦闘で戦死した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カッペルの戦い」の意味・わかりやすい解説

カッペルの戦い
かっぺるのたたかい

1529年および31年のスイスの宗教戦争。カッペルKappelはチューリヒ市南方の地名。1523年ツウィングリによるチューリヒの宗教改革以来、新教が北部8州に広がったが、これに対しウリシュウィーツなど中央部7州はカトリック連盟を結成し、両者はついに29年戦端を開いた。一度和議を結んだのち、31年10月ふたたびカッペルで戦い、チューリヒ側が敗れ、ツウィングリは戦死した。和議の結果、新教の拡大は阻止されることになった。

[瀬原義生]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

旺文社世界史事典 三訂版 「カッペルの戦い」の解説

カッペルの戦い
カッペルのたたかい
Kappel

スイス宗教改革中の1531年10月,チューリヒ近郊のカッペルで行われた新旧両キリスト教徒間の戦闘
ツヴィングリの指導下に勢力を伸張していた新教徒側が敗北し,ツヴィングリは戦死した。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android