カニノツメ(読み)かにのつめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カニノツメ」の意味・わかりやすい解説

カニノツメ
かにのつめ
[学] Linderia bicolumnata (Lloyd) Cunn.

担子菌類・腹菌類、スッポンタケ目アカカゴタケ科のキノコ。高さ4~6センチメートル、2本の弓形の軸が向かい合い、その形はカニのはさみに似る。色は下半部は淡いクリーム色、上部朱色先端の連結部の内側に黒い悪臭のある粘液、つまり胞子塊をつける。根元は白い膜質のつぼで包まれる。若いうちは、全体がこのつぼに包まれてトカゲの卵に似る。夏から秋にかけて庭や畑などの腐植が進んだ所に群生する。日本特産種。無毒だが食用にはしない。

[今関六也]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のカニノツメの言及

【カゴタケ(籠茸)】より

…カゴタケに似て腕は太く色が赤いものをアカカゴタケClathrus ruber Pers.という。腕が2本で頂端で連なりカニのはさみに似ているカニノツメLinderia bicolumnata (Lloyd) Cunn.,下半部は柱状,上半部が3本に分かれその先端がつながるサンコタケPseudocolus schellenbergiae (Sumst.) Johns.,やや太い茎の先から多数の枝を出してそれを水平にひろげる風変りなイカタケAseroe arachnoidea Fisch.,アカイカタケA.rubra Bull.ex Fr.がある。いずれも発生はまれであるが,奇抜な形と悪臭で注目をひく。…

※「カニノツメ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

土砂災害

大雨や地震が誘因となって起こる土石流・地滑り・がけ崩れや、火山の噴火に伴って発生する溶岩流・火砕流・火山泥流などによって、人の生命や財産が脅かされる災害。...

土砂災害の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android