カピタン(日本史)(読み)カピタン

百科事典マイペディア 「カピタン(日本史)」の意味・わかりやすい解説

カピタン(日本史)【カピタン】

ポルトガル語の音写で,甲比丹甲必丹の字をあてる。〈長〉の意。マカオ〜長崎間のポルトガル貿易に最高の権限を有したカピタン・モーロmor)に由来し,のち転じて他の外国人,中国人やオランダ人の代表に用いた。オランダ人の場合は平戸,のち長崎の出島にあったオランダ商館館長をさす。オランダ商館長の在任期間は短く,1609年―1856年の間に162代で2度以上再任した者もある。商館長はオランダ風説書幕府に呈出し,年1回江戸参府を行う等を任務とした。鎖国中は,日本に公的に接し得る唯一の知識人として,西洋文化の移入の窓口となった者が多い。
→関連項目通事/通詞

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

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