カモヤピテクス(英語表記)Kamoyapithecus

改訂新版 世界大百科事典 「カモヤピテクス」の意味・わかりやすい解説

カモヤピテクス
Kamoyapithecus

ケニア,ロシドクで発見された後期漸新世(約2500万年前)の化石類人猿。2010年現在,知られている最古類人猿。1980年にC.T.マッデンによりプロコンスル(ゼノピテクス亜属)・ハミルトニProconsul (Xenopithecus) hamiltoniとして記載されたが,ゼノピテクスの模式種であるゼノピテクス・コルエンシスX.koruensisがプロコンスル・アフリカヌスProconsul africanusと一緒にされたため,ゼノピテクスという属名は無効名となり,帰属が長く宙に浮いていた。1995年M.リーキーらが追加資料と共に,カモヤピテクス・ハミルトニとして記載した。属名は,ケニア国立博物館で長く人類化石収集に携わったカモヤ・キメウにちなむ。上顎大臼歯が幅広く痩せた咬頭をもつ,舌側歯帯が著しく発達している,などの特徴をもつ。これらは,前期漸新世ファイユーム(エジプト)の化石狭鼻猿類にもみられる原始的な特徴である。2000万年前以降の化石類人猿とどのような系統関係をもつかは明らかでない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android