日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラカラ(鳥)」の意味・わかりやすい解説
カラカラ(鳥)
からから
caracara
広義には鳥綱タカ目ハヤブサ科カラカラ亜科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種オーデュボンカラカラをさす。この亜科Daptriinaeには10種が含まれ、北アメリカ南部から南アメリカ南部にかけて分布し、全長約40~65センチメートルで比較的長い足をしている。つめや嘴(くちばし)はあまり鋭くない。色彩は種類によって変化に富んでいるが、嘴の根元から目の周りにかけては赤や黄の皮膚が裸出している。生息環境も熱帯雨林、平原、山地の崖(がけ)、海岸の岩場などと種類によって異なり、食性も雑食性のもの、鳥類をとらえるもの、腐肉を食べるものと多様である。巣は岩や木の上、サボテンの上につくり、2~3個の卵を産む。オーデュボンカラカラPolyborus cheriwayはアメリカ合衆国南部からフエゴ島にまで分布する。草原にすみ、雑食性である。アカノドカラカラDaptrius americanusはメキシコ南部からブラジル南部の森林に、キノドカラカラD. aterはアマゾン流域の林にすむ。
[高野伸二]