カラコルム(和林)(読み)カラコルム(英語表記)Kharakorum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラコルム(和林)」の意味・わかりやすい解説

カラコルム(和林)
カラコルム
Kharakorum

モンゴル帝国の太宗オゴデイ・定宗グユク (貴由)・憲宗モンケ (蒙哥)時代の首都で知られる。モンゴル国ウブルハンガイ州,オルホン川上流のハラホリンにその遺跡がある。 1220年に元朝の太祖チンギス・ハンがここに拠点をおいたのに始り,35年オゴデイが周囲を城壁で囲み,長方形の宮殿を建てた。城内には煉瓦造の家が街路沿いに並び,仏寺,イスラム寺院,ネストリウス派キリスト教会があったという。 60年世祖フビライ・ハンの弟アリク・ブガ (阿里不哥)がここでハン位につき,フビライと対立したが,フビライはこれを占領,破壊した。 63年フビライは大都 (北京) に首都を移したので,カラコルムは衰微し,元朝では和林行省の所在地にすぎなかった。 1368年元朝最後の皇帝,順帝が北京を追われて,カラコルムを北元の首都とした。この都市はラマ教の一中心として 16世紀まで続いた。カラコルムの正確な位置は,19世紀になってロシアの東洋学者 N.ヤドリンツェフと A.ポズドネーエフによって確かめられた。 1948~49年に,ソ連,モンゴルの考古学者による遺跡調査が行われている。

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