カラジッチ(Vuk Stefanović Karadžić)(読み)からじっち(英語表記)Vuk Stefanović Karadžić

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カラジッチ(Vuk Stefanović Karadžić)
からじっち
Vuk Stefanović Karadžić
(1787―1864)

セルビアの文献学者、民俗学者。セルビアの寒村に生まれ、独学教養を身につける。政情不安定な故国を離れ、生涯の大半をウィーンで過ごした。スロベニアの文献学者コピータルJernej Kopitar(1780―1844)によってセルビアの文化的指導者たるべき才幹をみいだされ、ヤコプ・グリムゲーテ、ランケの知遇を得て学者として大成した。コピータル、クロアチアガイらとともに民衆語に基づいた文語改革を推進し、セルビア人とクロアチア人に共通の標準文語を確立させた。『セルビア語文法』(1814)、『セルビア語辞典』(1818)、『セルビア民謡』6巻(1841~1866)などの業績がある。

[栗原成郎 2018年6月19日]

『栗原成郎・田中一生訳・編『ユーゴスラビアの民話Ⅰ』(1980・恒文社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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