フランスの画家。グールネに生まれる。1870年パリに出てカバネル、ついでジュール・シェレに学ぶ。1877~1878年ロンドン滞在。1879年サロンに『母子』を出品、その後も母と子、病気の子などの家庭的情景を描き好評を得た。柔軟な色調と明暗の探求から、しだいにセピア、銀灰色などのほとんど単色の霧のような画面、いわゆる「霧の芸術(アール・ブリュモー)」を生み、そのためしばしば印象主義周辺の画家の一人とされるが、むしろその夢幻性、心霊表現風の雰囲気は象徴主義と考えるべきである。事実、カフェ・ボルピニの象徴派の会合にも参加している。自由美学展にも参加。1904年にはサロン・ドートンヌの初代会長に就任。
[中山公男]
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