カリュプソ(英語表記)Kalypsō

改訂新版 世界大百科事典 「カリュプソ」の意味・わかりやすい解説

カリュプソ
Kalypsō

ギリシア伝説の海のニンフ。その名は〈隠す女〉の意。ホメロスの《オデュッセイア》によれば,彼女は巨人神アトラスの娘で,大海へそにあたるオギュギア島に住んでいた。オデュッセウスがこの島に漂着したとき,彼を歓待し,自分の夫として島にとどまるなら不死を与えようと説いたが,オデュッセウスが帰国の望みを捨てなかったので,ゼウスの命により,8年目に彼を島から船出させた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カリュプソ」の意味・わかりやすい解説

カリュプソ
Calypso

ギリシア神話ニンフジブラルタル海峡に近いオギュギア島の洞窟に住んで,楽園の暮しをおくり,トロイから帰国の旅の途中で難破して漂着したオデュッセウスを 10年間引止めて,彼に不死を与え自分の夫にしようとした。しかしオデュッセウスの帰国の決意は固く,どうしても彼女の申し出を受けなかったので,ついにヘルメスを通じて伝えられたゼウスの命令に従い,彼を島から送り出した。ローマの建国伝説中のラテン人の名祖ラティヌスは,彼女がオデュッセウスの種によって生んだ子とされる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「カリュプソ」の意味・わかりやすい解説

カリュプソ

ギリシア伝説でオギュギア島に住む美しいニンフ。アトラスの娘。オデュッセウスがこの島に漂着した時,7年間留めて不老不死にしようとしたが果たせなかった。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android