カルチエ・ラタン(読み)かるちえらたん(英語表記)le Quartier latin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルチエ・ラタン」の意味・わかりやすい解説

カルチエ・ラタン
かるちえらたん
le Quartier latin

フランス、パリ市内の地区の通称。セーヌ川左岸、サン・ミシェル通りを中心とする地区で、行政上は第5区と第6区の一部にまたがる。パリ大学(ソルボンヌ)、コレージュ・ド・フランスやルイ大王校、アンリ4世校などの名門高等学校、出版社、カフェーが多く、国際的雰囲気をもつ文教地区である。中世よりヨーロッパの学術の中心地として栄え、1789年のフランス革命までラテン語が通用していたため「ラテン地区」とよばれてきた。パンテオン、ローマ浴場遺跡のあるクリュニー館(現博物館)、上院のあるリュクサンブール宮とその庭園、パリの守護聖人聖女ジュヌビエーブの柩(ひつぎ)のあるサンテティエンヌ教会など、観光の名所も多い。メトロ(地下鉄)の駅はサン・ミシェルかオデオンがもっとも便利である。

高橋 正]


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