カルバラー(英語表記)Karbalā’

デジタル大辞泉 「カルバラー」の意味・読み・例文・類語

カルバラー(Karbalā')

イラク中部、カルバラー州の商業都市。同州の州都バグダッド南西約80キロメートル、ユーフラテス川中流域に位置する。680年、アリー次男フサインスンニー派との戦いで殉死した地で、イスラム教シーア派聖地ケルベラ

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改訂新版 世界大百科事典 「カルバラー」の意味・わかりやすい解説

カルバラー
Karbalā’

イラク中央部の宗教都市シーア派の聖地。バグダードの南南西約80km,ユーフラテス河畔にあり,人口約47万5000(2003)。ウマイヤ朝カリフ,ヤジードの治世680年に,預言者ムハンマドの孫でアリーの次男であるシーア派第3代イマーム,フサインメッカから家族・部下ら一行約200人とともにシーア派の本拠地クーファに赴く途中,この地でウマイヤ朝軍に包囲された。無条件降伏の申し出を拒否したフサイン側は,同年10月10日に戦闘を開始し,フサインをはじめほとんどすべての者が殉教した。このカルバラーの悲劇を契機に,シーア派の宗教的色彩はいっそう濃厚になった。悲劇の日はヒジュラ暦ムハッラム月10日に当たり,アーシューラーと呼ばれ,今日に至るまでこの日にフサインの殉教をしのぶ行事が盛んに行われる。かつてイランのシーア派最高指導者たちは,主としてこの地に居住し,ナジャフとともに重要な巡礼地になっている。
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百科事典マイペディア 「カルバラー」の意味・わかりやすい解説

カルバラー

イラク中部の都市。北東約88kmのバグダッドと鉄道で結ばれる。680年アリー(第4代正統カリフ)の次子フサイン殉教の地で,ナジャフと並ぶシーア派イスラムの聖地。黄金モスクがある。ユーフラテス河畔にあり,商業が盛ん。付近肥沃灌漑(かんがい)されており,デーツ(ナツメヤシ)の産出も多い。29万6705人(1987)。
→関連項目フサイン

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