カルパ・スートラ(読み)かるぱすーとら(英語表記)Kalpa-sūtra

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カルパ・スートラ」の意味・わかりやすい解説

カルパ・スートラ
かるぱすーとら
Kalpa-sūtra

インド最古の聖典ベーダを中心とした祭祀(さいし)に関する綱要書。「祭事経」と訳される。それには、祭官であるバラモンの生活規範を記した『ダルマ・スートラ』(法律経)、複数の祭官を用いる大規模な祭祀を記した『シュラウタ・スートラ』(天啓経)、祭官を用いない小規模な家庭内祭祀を記した『グリヒヤ・スートラ』(家庭経)、祭壇火炉の設置法などを記した『シュルバ・スートラ』(祭壇経)がある。成立年代は紀元前400年から前200年のころとされる。

[松濤誠達]

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百科事典マイペディア 「カルパ・スートラ」の意味・わかりやすい解説

カルパ・スートラ

古代インド,バラモン教の祭祀儀礼の綱要書。ベーダ聖典の理解実践のための手引書ベーダーンガ》6種の中でも最重要視される。前6世紀―前2世紀に成立。公私にわたる祭式執行や日常生活の義務等を規定

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルパ・スートラ」の意味・わかりやすい解説

カルパ・スートラ
Kalpa-sūtra

バラモン教の祭式綱要書。成立年代は未詳だが,前4~3世紀頃と推定される。その数は非常に多いが,完全な形のものはシュラウタ (天啓) ,グリヒヤ (家庭) ,ダルマ (律法) ,シュルバ (祭壇) の4スートラから成る。大部分スートラ体で書かれ,きわめて簡潔な短句を組織的に羅列している。

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