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カーボンオフセット【かーぼんおふせっと】

  • 知恵蔵2010の解説

  • 地球温暖化の原因といわれる二酸化炭素を減らそうとする取り組みのひとつ。日常生活や経済活動の中でどうしても排出してしまう二酸化炭素(カーボン)を、他の場所で行われるCO2削減活動に投資することで埋め合わせ(オフセット)する、というもの。対象となるCO2削減活動は、植林事業、自然エネルギー事業など。イギリスをはじめ欧米で広がりを見せていた取り組みだが、日本でも2008年に入り普及が急速に進み始めた。2月には環境省から「カーボン・オフセットのあり方について(指針)」が出されたほか、企業がCO2の排出量を公表する「カーボン・ディスクロージャープロジェクト」も始まっている。
    カーボンオフセットの手法としては、大きく2タイプがある。一つは、消費者がカーボンオフセットを導入した商品・サービスを買うと、それ自体がCO2削減行動と見なされたり、金額の一部が自然エネルギーや植林事業に寄付されたりするというもの。現在、食品、旅行、ガス、保険、年賀状などにカーボンオフセットが導入されており、あらゆる分野に広がりを見せつつある。なおこのタイプは「市場流通型」と呼ばれる。
    もう一つは、CO2の排出枠を企業や自治体などが直接的に取引するというもの。一般市場を通さないため「特定者間完結型」とも呼ばれる。
    日本では08年、300件を超えるカーボンオフセットの取り組みが実施されたと見られている。そのうち半数以上が市場流通型。洞爺湖サミット開催された夏ごろから導入件数が増えている。カーボンオフセットは法的に決められたものではなく、あくまで自主的な取り組みだが、普及の背景には「京都議定書」による排出量削減目標達成が大きく関係している。日本では、2012年度までに温室効果ガスを1990年比で6%削減するという目標が設定されたが、CO2排出量は大幅な減少を見せていないのが現状。このような中、京都議定書で提案されている「クリーン開発メカニズム」「排出権取引」が注目されており、自力での削減以外で目標を達成しようという方向性が強まっている。なお、クリーン開発メカニズムはカーボンオフセットの一種でもあり、途上国に温室効果ガス削減技術の協力資金援助をすることで、自国の温室効果ガス削減分に充当するという仕組みだ。
    カーボンオフセットには、市民気軽参加でき、市場を通すことで活動が広範囲に広がるというメリットがある一方、削減目標を自力で達成できないことの逃げ道に過ぎない、本当に温室効果ガス削減に結びつくかどうか不透明、という批判もある。
    ( 高野朋美 フリーライター )
  • 出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2008」
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  • デジタル大辞泉の解説

  • カーボン‐オフセット 【carbon offset】
     
    《offsetは、相殺するもの、埋め合わせ、の意》日常生活や経済活動によって排出される二酸化炭素を、何か別の手段を用いて相殺しようという考え方。クリーンエネルギーの開発、森林保護、植林といった事業に投資するなどの方法がある。
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    監修:松村明
    編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
    編集協力:曽根脩
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