カール(Gustav Ritter von Kahr)(読み)かーる(英語表記)Gustav Ritter von Kahr

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

カール(Gustav Ritter von Kahr)
かーる
Gustav Ritter von Kahr
(1862―1934)

ドイツの右翼政治家。バイエルンに生まれる。1917年、上バイエルン県知事となる。1920年3月、カップ一揆(いっき)の影響下にバイエルンの右翼ブルジョア政府の首相となったが、中央政府の緊急令と妥協せざるをえなくなり、1921年9月辞職。その後、1923年9月、バイエルン政府によって州総監に任ぜられると、バイエルン駐留の国防軍司令官フォン・ロッソウの支持を受けて中央政府に対抗し右翼独裁を企てたが、運動の主導権をめぐってヒトラー対立、同年11月のヒトラー一揆を失敗させた。1924年に中央政府と和解後、バイエルン行政裁判所長官となった。1934年6月30日、突撃隊最高幹部レームが粛清された際、ヒトラー一揆の裏切り者としてナチスによって殺害された。

[松 俊夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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