ガラスフリット(読み)がらすふりっと(英語表記)glass frit

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガラスフリット」の意味・わかりやすい解説

ガラスフリット
がらすふりっと
glass frit

フリットとは、本来、釉薬(ゆうやく)、ほうろうなどの分野において、原料をあらかじめ溶融、急冷して得たガラス粒をさしていたが、現在では、ガラスを適度な大きさに粉砕した粉末ガラスをさす。低融点ガラスのガラスフリットは、比較的低温の焼成でも、軟化・流動させることができ、電子部品の接合、封着、被覆に広く用いられている。封着用の低融点ガラスは、ハンダガラスともよばれる。ガラス組成の調整により、焼成時、軟化・流動した後、結晶化させることもでき、高い耐熱性や強度を発現させることもできる。また、各種セラミックス粉末と混合して使用することも行われている。ガラスフリットを樹脂溶媒などと混練し、ペースト状にしたものはガラスペーストとよばれ、印刷法などで基材に塗布することができる。シート状にしてエレクトロニクス用の低温焼成基板にも使われている。

[伊藤節郎]

『作花済夫・伊藤節郎・幸塚広光・肥塚隆保・田部勢津久・平尾一之・由水常雄・和田正道編『ガラスの百科事典』(2007・朝倉書店)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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