キム・ドンニ(金東里)(読み)キム・ドンニ(英語表記)Kim Tong-ni

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キム・ドンニ(金東里)」の意味・わかりやすい解説

キム・ドンニ(金東里)
キム・ドンニ
Kim Tong-ni

[生]1913.11.24. 慶州,城乾里
[没]1995.6.17
韓国の小説家。本名,始鍾。朝鮮でのプロレタリア文学壊滅の時期に文学界に登場 (1935) ,解放後は青年文学家協会を組織してプロレタリア文学に対抗し,ヒューマニズム文学理論を展開。 1955年自由文学賞,1958年芸術院賞受賞。その作品世界は「きわめて韓国的,虚無的,神秘的」であり,初期の代表作『巫女 (みこ) 図』は,悲惨な生活をすべて神霊のせいにして諦観的な運命観に生きる土着的な人間の典型を描いている。ほかに『黄土記』『帰還壮丁』『等身仏』『実存舞』『密茶苑時代』などがあり,『サバン十字架』は日本にも紹介された。評論集も多い。

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