出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
ローマ神話の恋愛の神クピド(キューピッド)Cupidoをかわいらしい表情のマスコットにつくったもの。頭髪のとがった裸形のベビー人形で背中に羽がある。セルロイド,陶,ゴム,プラスチック製など,大きさにも各種があり,おもに幼児向きの玩具。1912年ウィルソンRose Cecil O'Neill Wilsonという女流画家がアメリカの家庭雑誌《ウーマンズ・ホーム・コンパニオン》に描いたこの人形が評判になり,13年セルロイド人形として発売され世界に広まった。日本にも輸入されたが,やがて国産品が盛んに出回るようになった。ことにセルロイドの主要原料のショウノウが日本の特産品で,加工も容易,値段も安く仕上がりも美しいなどの利点から工業化が進み,1936-37年にかけてはセルロイド玩具産業の全盛期を迎え,キューピー人形はその花形となって逆に欧米へ盛んに輸出された。
執筆者:斎藤 良輔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ローマ神話に出てくる恋愛の神キューピッドcupidをかわいらしくおどけた表情につくったマスコット人形。頭のとがった裸体の童形で、背中に小さな羽がはえている。セルロイド、ゴム、プラスチック、陶製などがあり、大きさも種類が多い。1909年アメリカの女流画家が描いたキューピーの絵をもとに、12年以降欧米で人形が製造された。初期の人形は陶製やセルロイド製が主で、やがて日本にも輸入され、国産品も盛んに出回るようになった。大正期から昭和10年(1935)ごろにかけてセルロイド玩具産業は全盛期を迎え、キューピー人形はその花形となった。意匠もさまざまで大小数十種が生産され、逆に欧米へ輸出された。第二次世界大戦後は可燃性を避け、プラスチック製となった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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