ギョウザ(読み)ぎょうざ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギョウザ」の意味・わかりやすい解説

ギョウザ
ぎょうざ / 餃子

中国料理の点心(てんしん)の一つ。餃子(チャオツ)、餑餑(ポーポー)ともいう。清(しん)朝の時代に満州地方(現在の中国東北)で始められ、中国全土に広がったといわれる。奉公人のいなくなる正月の2、3日間はこれを食べるといわれ、古くから上手につくることが花嫁の条件の一つにさえなっていた。小麦粉を耳たぶくらいの柔らかさにこね、手のひらくらいの大きさに丸く薄く伸ばし、好みの野菜、エビ、豚肉、ニラショウガなどを中身に包み、半月形にして片面だけに四つぐらいひだをとり、柏餅(かしわもち)に似た形につくる。これを蒸したり、焼いたり、ゆでたりして、好みの薬味(酢じょうゆ、ニンニク辣油(ラーユー)、蠔油(ハオユー)〈カキの油〉、練りがらしなど)で食べる。

(1)鍋貼餃子(クオティエチャオツ) 生のギョウザを底の平らな鉄鍋(なべ)に油をひいて並べ、中火にかけてギョウザの底がこんがり焼けたとき、ギョウザの肩まで熱湯を入れて蓋(ふた)をし、中に十分火を通したら蓋をとって水分を蒸発させて仕上げる。温かいうちに好みの薬味で食べる。

(2)水餃子(ショイチャオツ) ゆでギョウザ。生ギョウザを熱湯でゆで、ゆで汁をスープとしていっしょに食べる。

(3)蒸餃子(チョンチャオツ) 生ギョウザを15分間くらい蒸したもの。

 ギョウザは、中に入れる具によって高級ともなるが、もともと家常菜(チヤチャンツァイ)(総菜(そうざい))であり、広東(カントン)風のギョウザは飲茶(ヤムチャ)によく用いられる。日本では皮が市販されているので、ギョウザは手軽につくることができる。

[野村万千代]

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