日本大百科全書(ニッポニカ) 「クエンカ(スペイン)」の意味・わかりやすい解説
クエンカ(スペイン)
くえんか
Cuenca
スペイン中央部、カスティーリャ・ラ・マンチャ地方クエンカ県の県都。人口4万6341(2001)。フッカル川の上流、標高約100メートルの峡谷に臨み、外界とは橋で結ばれる。9世紀にイスラム教徒が占領して城塞(じょうさい)を建設し、1177年カスティーリャのアルフォンソ8世が奪回した古い都市。中世のおもかげを残し、城壁で囲まれ、七つの城門から狭い道が急坂をなしてゴシック様式の大寺院や城へと続いている。銀細工などの伝統的な手工業がみられる。1996年に「歴史的城壁都市クエンカ」として世界遺産の文化遺産に登録されている(世界文化遺産)。
[田辺 裕・滝沢由美子]