四肢の筋肉が持続的に長時間圧迫を受け(クラッシュ外傷)、圧迫解除後に起こる全身障害。四肢の局所の持続的圧迫による損傷で腎機能障害を伴う病態をクラッシュ外傷(圧挫(あつざ)損傷)として最初に報告したバイウォーターズEric Bywaters(1919―2003)にちなんでバイウォーターズ症候群ともいう。ほかに、圧迫症候群、圧挫症候群、挫滅症候群、挫傷症候群などともよばれる。日本では1995年(平成7)の阪神・淡路大震災の際に、倒壊した家屋の下敷きになったり、がれきに挟まれたりして傷病を負った人に多発したことで認知された。また、2005年(平成17)のJR福知山線脱線事故による負傷者についてもこの症状が問題となった。助け出され圧迫が解かれた際に、筋組織(骨格筋)が破壊され血中に大量のミオグロビンなどが放出されて横紋筋融解症を呈し、さらに急性腎(じん)不全を合併したり、高カリウム血症や脱水による循環不全などをきたしたりして死に至ることもある。ほかの原因としては、昏睡(こんすい)状態の持続や手術、ギプス固定のほか、ショックパンツ(下半身に装着して空気を送り込み、体幹に血液を集めて血圧を保持する器具)などの使用で特定の肢位を強いられること、同じ局所に持続して機械的刺激を受けることなどがあげられる。こうした場合、局所の発赤や腫脹(しゅちょう)および硬結、循環障害から筋肉や神経が侵され壊死(えし)に至る筋区画症候群(コンパートメント症候群)などを伴う。
[編集部]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
(2018-1-16)
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