ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
クラペイロン=クラウジウスの式
クラペイロン=クラウジウスのしき
Clapeyron-Clausius' equation
dp/dT=L/T(v2-v1)
これをクラペイロン=クラウジウスの式といい,初め B.クラペイロンが熱素説により,のちに R.クラウジウスが熱力学の法則から導き出した。沸騰の場合には,液体の比体積 v1 に比べて気体の比体積 v2 のほうが必ず大きく,v2-v1>0 であるから dp/dT>0 となり,外圧が増せば沸点が上昇する。融解の場合には,たいていの固体のように融解すると体積が増す物質では固体と液体の比体積 v1,v2 の差は v2-v1>0 であるから,圧力が増せば融点が上昇する。これに対し,水や活字合金のように融解すると体積が減る物質では v2-v1<0 であって,圧力が増すと融点が降下する。氷に圧力を加えると接触部が解け,圧力を減らすと復氷するのはこのためである。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報