クロービス1世(読み)クロービスいっせい(英語表記)Clovis I; Chlodwig I

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロービス1世」の意味・わかりやすい解説

クロービス1世
クロービスいっせい
Clovis I; Chlodwig I

[生]466頃.ツルネイ
[没]511.11.27. ルテチア
初代のフランク王 (在位 481~511) 。父ヒルデリヒ1世を継ぎ,領土拡大に努力。ローマのガリア総督シアグリウスをソアソンで破り,ガリアからロアール一帯に及ぶローマ領ガリアの大部分を支配。さらに西ゴートのアラリック2世を破り現在のフランス全域にわたる支配者となり,メロビング朝の基礎を築いた。正統のアタナシウス派キリスト教徒クロティルダと結婚。 496年には彼自身がランス大司教より洗礼を受けアタナシウス派に改宗。これは政策的な意図が強く,キリスト教徒であるガロ=ロマン系住民の懐柔と,アリウス派の西ゴートを攻撃する口実とするためであった。彼はガリア北方を征服すると,多くのフランク人を北ガリアに移住させてガリア人と混住させ,両者の自由民で重装歩兵部隊を組織し王権支柱とした。都をソアソンからルテチア (現パリ) に移し,東ローマ (ビザンチン) 皇帝アナスタシウス1世より,508年地方総督 Pro Consulの称を受けた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android