クローン(Leena Krohn)(読み)くろーん(英語表記)Leena Krohn

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

クローン(Leena Krohn)
くろーん
Leena Krohn
(1947― )

フィンランドの女性小説家。大学で、文学、心理学、哲学を学び、その後、図書館員を経て執筆活動を開始する。代表的な小説『ウンブラ』Umbra(1990)では、医師ウンブラの日常の生活を通して、矛盾に満ちた現代社会をコミカルに描いている。現実を童話寓話(ぐうわ)のように幻想的に描く魔(術)的リアリズムの手法で、フィンランド政府文学賞(1989)やフィンランディア文学賞(1993)などを受賞するなど国内外から高い評価を得ている。そのほかに、『タイナロン』Tainaron(1985)、『摩擦音』Rapina(1989)、『秘め事』Salaisuuksia(1992)、『木々は8月に何をするのか』Mitä puut tekevät elokuussa(2000)などの小説を著している。

[末延 淳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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