クンチャーン・クンペーン(英語表記)Khun Chang Khun Phaen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

クンチャーン・クンペーン
Khun Chang Khun Phaen

タイの物語詩。 16世紀初めのアユタヤ朝時代にタイの地方都市スパンブリーに起った事件に基づいて語り伝えられた物語。原本は散逸し,現在みられるのは 19世紀にバンコク朝のラーマ2世スントーン・プーら数人の宮廷詩人に命じてセーパー (朗誦) 用に再編させたもので,ラーマ4世治世全編完成した。物語の主題は,1人の美しい女ワントーンをめぐる2人の男クンチャーンとクンペーンの恋の葛藤であるが,それまでのタイ文学と違い,登場人物のほとんどが庶民で,当時の一般的タイ人の生活や感情がリアルに描かれている。文体口語が用いられて誦しやすく,簡単な楽器の伴奏で独唱者によって朗詠され,民衆の愛好するところとなっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android