日本大百科全書(ニッポニカ) 「グアルディーニ」の意味・わかりやすい解説
グアルディーニ
ぐあるでぃーに
Romano Guardini
(1885―1968)
ドイツのカトリック神学者。ベローナでイタリア外交官の子に生まれたが、ドイツを故郷とし、神学を修め、ブレスラウ(現、ポーランド領ブロツワフ)、ベルリン、1945年以後はチュービンゲン、ミュンヘンの諸大学で教えた。1920年代からのカトリック青少年運動や典礼運動の指導者の一人。文化の諸領域にも広く関心を抱き、その著作活動は狭義の神学、哲学の分野に限らず、文学やヨーロッパ精神史、さらには教育や社会の問題にまで及んでいる。信仰が人格的なものであることを強調する点において実存主義に近いが、広く現代の問題を視野に収めようとするその立場は、文化カトリシズムとよぶこともできる。
[田丸徳善 2015年2月17日]