グリーンタフ変動(読み)グリーンタフへんどう

最新 地学事典 「グリーンタフ変動」の解説

グリーンタフへんどう
グリーンタフ変動

Green Tuff movement

千島列島~北海道北東部,北海道北西部~東北地方の大部分フォッサマグナ地方~伊豆七島と小笠原西側,北陸~山陰地方,東海~瀬戸内地方,北九州~南九州西部,琉球列島西側などには,中新世前~中期に生じた大量の火山岩火山砕屑岩の変質した緑色凝灰岩グリーンタフ)が分布する。この地域にはこうした火成活動に先立つ陥没沈降が進行し,そこに大規模な堆積盆地が形成された。中新世後期から鮮新世,さらに第四紀にも陥没~沈降,火成活動が進行して新しい堆積盆地が生じ,褶曲や断裂を形成。やがて第四紀に広域にわたる隆起が生じ今日の日本列島が成立した。こうした一連の変動に対し地向斜・造山運動の見方を適用し,特徴的な岩相を示すグリーンタフの名を借りてグリーンタフ地向斜と命名(湊正雄,1952)。その後井尻正二(1960)は,中・古生代の造山運動とは異なった新しい型のグリーンタフ造山を考える必要があると指摘し,グリーンタフ変動の名称を用いた。さらに,鮮新世~第四紀の変動は中新世のそれと異質だとして,島弧変動として分離する見方を提唱藤田至則,1970)。その後この二つに分離された変動を,プレートテクトニクス仮説で解釈しなおし,グリーンタフ変動を張力テクトニクス時代,島弧変動を圧縮テクトニクス時代と規定中村一明,1969;市川浩一郎ほか,1973)。

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百科事典マイペディア 「グリーンタフ変動」の意味・わかりやすい解説

グリーンタフ変動【グリーンタフへんどう】

新第三紀初期から現在まで続いている日本列島の地殻運動に対して名づけられたが,その後,鮮新世以後が島弧変動として分離され,グリーンタフ変動は中新世の変動に限られている。初期には沈降と地層の堆積が支配的であったが,後半には褶曲(しゅうきょく)と隆起が著しく,この運動を通じて日本とその付近の弧状列島島弧)が形成された。東北日本〜フォッサマグナが中心地で,火山活動が激しく,その産物の緑色の火山岩や凝灰岩(グリーンタフ)が象徴的である。
→関連項目秩父山地日本海

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世界大百科事典(旧版)内のグリーンタフ変動の言及

【グリーンタフ】より

…この地層はグリーンタフとともに強く褶曲し,日本列島で最大の油田,ガス田を形成している。このようなグリーンタフの火山活動にはじまり,厚い地層群の堆積やその褶曲,隆起などを経て現在に至る一連の地殻変動をグリーンタフ変動とよぶことがある。【鎮西 清高】。…

【日本列島】より

…その後,鮮新世から第四紀にかけて,現在の東日本島弧系(千島弧,東北日本弧,七島‐マリアナ弧)と西日本島弧系(西南日本弧,琉球弧)の発達が顕著となる。新生代後期の変動は一括して瑞穂(みずほ)造山ないしグリーンタフ変動とも呼ばれているが,鮮新世以降の過程を島弧変動として,中新世のグリーンタフ変動と段階的に区別する扱いもある。西南日本では,前者は六甲変動として知られている。…

※「グリーンタフ変動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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