日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケジラミ」の意味・わかりやすい解説
ケジラミ
けじらみ / 毛蝨
crab louse
[学] Pthirus pubis
昆虫綱シラミ目ヒトジラミ科に属する昆虫。ケジラミ科として分けることもある。世界共通の種で、ヒトの陰部や肛門(こうもん)部の毛につき、まれに腋毛(えきもう)や髭(ひげ)などにつくこともある。非常に動きが鈍く、なかなか移動せず、寄生されるとひどくかゆい。体長雄1.4ミリメートル、雌1.8ミリメートル内外。体の幅は広くて体長の約半分の長さ。脚(あし)は大きくて太く、強大なつめをもつ。腹部後半の側縁には数本の毛を生ずる円錐(えんすい)形の突起がある。英名は「カニに似たシラミ」の意味である。寄生部で一生を過ごし、ヒトからヒトへと伝播(でんぱ)する。
[山崎柄根]