ケニ人(読み)ケニびと(英語表記)Kenites

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケニ人」の意味・わかりやすい解説

ケニ人
ケニびと
Kenites

旧約聖書に言及されるパレスチナの遊牧系民族名。彼らはアラバ涸れ川沿いに移動を繰返す部族で,金細工にすぐれた技術をもっていた。モーセの義父エテロはケニ人であり,祭司としてヤハウェ信仰をイスラエル人に伝えたといわれる。彼らはのちにイスラエルのユダ族に吸収されたらしい。しかしその伝統をひくレカブ人のように遊牧的生活をきびしく守る一団も存続した。またカナン的生活と妥協したオムリ朝とも対立したが,それ以後ケニ人の名前は消えうせた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android