ケリー(Florence Kelley)(読み)けりー(英語表記)Florence Kelley

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ケリー(Florence Kelley)
けりー
Florence Kelley
(1859―1932)

アメリカの社会改良運動家。奴隷制反対に活動した父の影響を受け、早くから社会問題に関心を示し、弁護士を目ざしたが、女性のため入学を認められず、スイスへ留学した。すでに婦人児童の地位改善運動に参加していた彼女は、ヨーロッパマルクス主義者と知り合い、のちエンゲルスの著作を英訳した。帰国後の1891年、シカゴのハル・ハウスに加わり、イリノイ州の工場改善法成立に力を尽くし、その検査官となった。さらにニューヨークで消費者の圧力で労働条件の改善を目ざす全国消費者連盟に参加し(99年より没年まで書記長)、社会主義者の観点をもちつつ、婦人、児童の労働問題のために活動した。

[長沼秀世]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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