ケンドル(英語表記)Kendal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケンドル」の意味・わかりやすい解説

ケンドル
Kendall, Edward Calvin

[生]1886.3.8. コネティカット,サウスノーウォーク
[没]1972.5.4. プリンストン
アメリカ合衆国の生化学者。1915年から 1951年までメーヨークリニックの生化学部長。1952年からプリンストン大学化学客員教授。甲状腺研究からチロキシン分離,またグルタチオンを結晶化し,その化学的性質を決定した。次いで副腎皮質の研究に転じ,1935年,ホルモンコーチゾンコルチゾン)の分離に成功したのち,臨床への応用を研究し,1948年,コーチゾンを慢性関節リウマチに使用して成功した。1950年,副腎皮質ホルモンの研究によって,同僚のフィリップ・ショウォルター・ヘンチスイスのタデウス・ライヒシュタインとともにノーベル生理学・医学賞を受賞。

ケンドル
Kendal

イギリスイングランド北西部,カンブリア県南部,サウスレークランド地区の町。県都カーライル南南東約 60kmにあり,ケント川に臨む。製靴毛織物敷物製紙などの工業が行なわれ,石灰岩を産する。羊毛工業の歴史は古く,1331年フランドル人の織工が来住したことに始まり,「羊毛は私のパンだ」Pannus mihi panisをモットーに市民がこぞって羊毛工業の町づくりを推し進めてきた。ケンドル・グリーンと呼ばれる毛織物はもはやつくられていないが,カーペットなどの敷物には伝統的な技術がいかされている。美しいレークディストリクト湖水地方)への観光基地。12世紀のホーリー・トリニティ聖堂,ローマ時代の遺跡などが保存されている。人口 2万8030(2001)。

ケンドル
Kendall, Henry

[生]1839.4.18. ニューサウスウェールズ,カーミントン
[没]1882.8.1. シドニー
オーストラリア最初の注目すべき詩人自国風景を初めて歌った『オーストラリアの森から』 Leaves from Australian Forest (1869) ,『山の歌』 Songs from the Mountains (80) などがある。

ケンドル
Kendal, William Hunter

[生]1843.12.16. ロンドン
[没]1917.11.7. ロンドン
イギリスの俳優劇場支配人本名 Grimston。シェークスピアから軽喜劇まで,広い芸域で活躍。女優の妻マッジ (1849~1935) とともにセント・ジェームズ劇場を経営し,俳優の養成とその地位向上に努めた。

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百科事典マイペディア 「ケンドル」の意味・わかりやすい解説

ケンドル

米国の生化学者。コロンビア大学で化学を学び,1914年メーヨー・クリニク生化学部門主任,1951年以降プリンストン大学化学教授。副腎皮質ホルモンの単離と合成の研究で,1950年ノーベル生理医学賞。ほかにチロキシンの分離,構造決定に業績がある。

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