ゲラン(Eugénie de Guérin)
げらん
Eugénie de Guérin
(1805―1848)
フランスの女流文学者。南フランス、タルン県ル・ケーラの城館に貧しい貴族の娘として生まれた。終生独身で、弟の詩人モーリス・ド・ゲランを亡母にかわり愛し育てた。彼女の日記(死後出版)は堀辰雄(たつお)の手で一部邦訳されているが、内面派の貴重な記録である。1839年に弟が死んだのちも、「これもまた彼、逝(ゆ)けるモーリス、天上にあるモーリス」のために日記を書き続けた。
[平川祐弘]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例