コバネイナゴ(読み)こばねいなご

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コバネイナゴ」の意味・わかりやすい解説

コバネイナゴ
こばねいなご / 小翅稲子
[学] Oxya japonica japonica

昆虫綱直翅(ちょくし)目イナゴ科に属する昆虫。いわゆるイナゴ類の代表種で、イネ害虫として著名。体長変異が多く、雄で18~33ミリメートル、雌で21~37ミリメートル。全体黄緑色で、複眼後方より前胸背板側稜(そくりょう)にかけて黒帯がある。前翅、後翅とも短く、普通長いものでも腹端をやや越える程度で、腹端にようやく届く程度かそれ以下のものが多い。成虫は8~11月にみられ、稲田に多かったが、近年は農薬が定期的に散布されるため激減し、休耕田河原草原などに追いやられている。本州以南に分布し、中国や東アジアの熱帯、インド、スリランカなどに広く分布している。

[山崎柄根]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「コバネイナゴ」の解説

コバネイナゴ
学名:Oxya yezoensis

種名 / コバネイナゴ
解説 / 水田草地にすみます。卵で越冬します。
目名科名 / バッタ目|イナゴ科
体の大きさ / ♂16~33mm、♀18~40mm
分布 / 北海道~九州
成虫出現期 / 8~11月
幼虫の食べ物 / イネ科植物

出典 小学館の図鑑NEO[新版]昆虫小学館の図鑑NEO[新版]昆虫について 情報

世界大百科事典(旧版)内のコバネイナゴの言及

【イナゴ(稲子)】より

…アフリカ大陸から東南アジアを経て,日本や沿海州に至る地域に広く分布し,18種が知られている。日本では,本州以南に見られるコバネイナゴO.japonica japonica(イラスト)やハネナガイナゴO.chinensisが代表的で,ほかに北海道や東北地方にすむエゾイナゴO.yezoensisや琉球諸島以南にすむコイナゴO.hyla intricataが知られている。体長は,おおむね雄で17~33mm,雌で20~40mm,コイナゴはこれよりやや小さめである。…

※「コバネイナゴ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android