コマガタケスグリ(読み)こまがたけすぐり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コマガタケスグリ」の意味・わかりやすい解説

コマガタケスグリ
こまがたけすぐり / 駒岳酸塊
[学] Ribes japonicum Maxim.

ユキノシタ科(APG分類:スグリ科)の落葉低木。高さ約2メートル。葉は互生し、円腎(えんじん)形で幅7~17センチメートル、掌状に5中裂し、裏面に油点を散生する。5~7月、葉腋(ようえき)からやや下垂した総状花序を出し、黄緑色花を多数つける。萼(がく)裂片は5枚で平開し、花弁は5枚で萼裂片より短い。雄しべは5本。果実は液果で、赤黒色に熟す。亜高山帯の針葉樹林内の小川近くに生え、北海道、中部地方以西の本州、四国に分布。名は木曽(きそ)駒ヶ岳で発見されたことによる。

[若林三千男 2020年5月19日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のコマガタケスグリの言及

【スグリ】より

… この和名のスグリに近縁の日本の野生種には次のようなものがある。コマガタケスグリR.japonicum Maxim.,トガスグリR.sachalinense (Fr.Schm.) Nakai,エゾスグリR.latifolium Jancz.,クロミノハリスグリR.horridum Rupr.,ヤブサンザシR.fasciculatum Sieb.et Zucc.などがある。ヤブサンザシはとげなしの雌雄異株で,束状に上向きにつく赤色球形の液果は食用に適さない。…

※「コマガタケスグリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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