コラール(Ján Kollár)(読み)こらーる(英語表記)Ján Kollár

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コラール(Ján Kollár)
こらーる
Ján Kollár
(1793―1852)

チェコスロバキア詩人、スラブ学者。ロマン的汎(はん)スラブ主義の創始者。スロバキア出身。ポジョニ(ドイツ名プレスブルク、現ブラチスラバ)の福音(ふくいん)派学校を卒業(1815)後、イエナ大学神学部に留学(1817~1819)。当地でワルトブルク祭を経験し、ドイツ民族統一運動の影響を受けた。帰国後、ペシュトの福音派教会の牧師を務め、1849~1852年ウィーン大学スラブ考古学講座の特別教授となった。彼はスラブ民族間の文化交流を果たすために、言語研究、書籍の交換、図書館の創設、大学におけるスラブ語講座の設置の必要性を主張、チェコ人、スロバキア人の民族運動の担い手に大きな影響を与えた。彼のスラブ民族統一理念は、詩集『スラーバの娘』Slávy dcera(1824)にもっとも強く表れている。

[稲野 強]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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