コリンズ(John Anthony Collins)(読み)こりんず(英語表記)John Anthony Collins

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

コリンズ(John Anthony Collins)
こりんず
John Anthony Collins
(1676―1729)

イギリスの理神論者、自由思想家ケンブリッジ大学に学ぶ。晩年のロック親交を結び、彼の遺産管理人の一人となる。彼は、あらゆる主題、とりわけ宗教について理性による自由な吟味探究の必要性を強調する。認識能力の分類ではロックを踏襲し、蓋然(がいぜん)的知識に属する信仰においても自然本性である理性に反することはできないとし、この点で秘蹟(ひせき)や奇跡などを退ける。自由な思考と宗教的寛容の立場から既成宗教と狂信を厳しく批判するが、意志の自由については、他の多くの理神論者と異なり、決定論をとる。彼の聖書の自由な吟味は後のヒュームらの宗教の歴史的批判への道を開くことになった。主著に『自由思想論』(1713)、『人間の自由と必然についての哲学的研究』(1715)などがある。

[小池英光 2015年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android