コレギウム・トゥリリンゲ

大学事典 の解説

コレギウム・トゥリリンゲ[羅]

ベルギー北部に位置するルーヴァン(16世紀当時,アルプス以北における,パリに次ぐ重要な大学都市)に1517年に設立,翌年開校された教育研究機関。1425年創設のルーヴァン・カトリック大学とは独立した形で,自らも人文主義者として知られるジェローム・ビュースレイデンのメセナによって開設され,その構想にはエラスムスが大きな影響を与えている。名称は「三言語学院」を意味し,従来の神学枠組みを乗り越えた原典研究を求めるユマニスム探究を背景に,古典語であるラテン語,ギリシア語,ヘブライ語の3言語で教授がなされた。エラスムス自身は教鞭をとらなかったが,彼はこれら3言語の優れた教授陣を選んでいる。神学を中心とする旧来の大学に対抗し,幅広く人文主義の展開を図るという点において,1530年にフランソワ1世によってパリに創設された,今日のコレージュ・ド・フランスの前身であるコレージュ・ロワイヤルのモデルとされる。
著者: 白鳥義彦

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

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