コンラート(1世)(読み)こんらーと(英語表記)Konrad Ⅰ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンラート(1世)」の意味・わかりやすい解説

コンラート(1世)
こんらーと
Konrad Ⅰ
(?―918)

中世ドイツ王国の初代国王(在位911~918)。ラーンガウ伯コンラートの子。906年父の死後、教会勢力の支持によりフランケン大公となる。911年ルートウィヒ幼児王の死により東フランクのカロリング王統が断絶したとき、ザクセン大公オットーの提唱によりドイツ国王に選出された。ただロートリンゲンだけはコンラートの王権を承認せず、西フランク王国と合体した。コンラートはその回復に努めたが成功せず、また毎年のように侵入を繰り返していたマジャール人に対しても、効果的な防衛を行うことができなかった。対内的には、教会勢力の支持を頼んで、諸部族大公権を抑え、王権の強化を試みたが、これもかえって部族大公の反発を招き、バイエルン大公アルヌルフとの戦いで致命傷を受けた。死に臨み、弟エーベルハルトに王権を譲ることをあきらめ、ザクセン大公ハインリヒを後継者に指名した。

[平城照介]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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