知恵蔵 「コ・メディカル」の解説
コ・メディカル
コ・メディカルに当てはまる職種としては、例えば、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、臨床検査技師、診療放射線技師、臨床心理士、臨床工学技士、義肢装具士、医療事務などがある。
かつては「医師を補助する人」という意味で、パラメディカル(paramedical)と呼ばれていたが、1980年代半ば以降、各職種の専門性をベースとするチーム医療が主流となり、「医師と共に医療に当たる人」という概念を表す言葉として編み出された。パラメディカルはアメリカ英語だが、コ・メディカルは和製英語である。
この言葉が使われ始めた当初から、定義があいまいであることなどについて医療界の内外に疑問の声があったものの、チーム医療の普及と共に医療関係者の間で交わされる頻度は上がってきているという実態がある。
2012年1月、日本癌治療学会は「コ・メディカル」という用語を原則的に使わないとする通知を出した。理由として、指し示す職種の範囲が明確でない、コメディ(喜劇)の形容詞と誤解されることがある、「医師とそれ以外」という表現によって上下関係を示唆するものでありチーム医療の考え方になじまない、の3点を挙げている。
(石川れい子 ライター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報