(石川れい子 ライター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
医師、歯科医師以外の医療従事者をまとめた呼称。コ・メディカルco-medicalは和製英語。英語ではparamedicで、これを訳したパラメディカルがもともとの呼称である。しかし、接頭語のparaには補助の意味が強いことから、1980年代に「協同」を意味するcoが適切との阿部正和(1918―2016、当時東京慈恵会医科大学学長)の提言があり、日本で普及した。さらに、チーム医療の必要性が強調されるにつれ、コ・メディカルよりメディカル・スタッフという呼称が使われている。2012年(平成24)に日本癌(がん)治療学会は、医師との上下関係の意味合いが残るなどの理由から、原則的にコ・メディカルを使わないとの通知を出している。歯科衛生士や歯科技工士など歯科関係をコ・デンタルと別扱いする場合もある。
おもなコ・メディカルは、看護師、保健師、助産師、薬剤師、臨床検査技師、衛生検査技師、臨床工学技士、放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、救急救命士、鍼(はり)師、灸(きゅう)師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師など。多くは国家資格、都道府県資格があり、専門の養成学校や大学の養成課程がある。
[田辺 功]
…本来は〈医師の手伝いをする〉という意味の形容詞であるが,医師,歯科医師以外の医療従事者を指すパラメディカル・スタッフparamedical staffの意味で用いられることが多い。さらに最近では,〈協力〉を前面に出した言葉としてコメディカルcomedicalを用いることも多くなってきた。 パラメディカルは診療所や病院に働く人たちのうち,医師や歯科医師を除いた人たちを指し,看護婦,薬剤師,診療放射線技師,臨床検査技師,理学療法士,歯科技工士,歯科衛生士などのように,国家試験や都道府県試験を経てライセンスを取得すべき職種が中心となって構成される。…
※「コメディカル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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